毎日新聞に掲載されました!
- cvv
- 2008年11月3日
- 読了時間: 3分
関東地方では10月23日(木)朝刊、大阪では11月1日(土)の夕刊の毎日新聞に各地で広がる児童養護施設の退所者が集う場所、というテーマの記事でCVVが掲載されました。東京の「日向ぼっこ」をはじめ、各地に居場所が増えていること嬉しく思います。
下に記事全文を載せます。ご紹介ありがとうございました
福祉ナビ:児童養護施設の退所者が集う場所が増えています 。 (毎日新聞 2008年10月23日 東京朝刊より) ◆児童養護施設の退所者が集う場所が増えています。 ◇交流、助け合いの場に 理解広げる取り組みも 「養護施設を知ってもらうきっかけと、施設を出た人の第二の居場所になれば」。9月7日、千葉県流山市で開かれた「第1回こもれびサロン」。代表の佐野優さん(22)は、集まった二十数人の前で経験を語った。 佐野さんは、3歳のときに両親が離婚。あちこちの親せきの家で育てられ、小学校3年生から父と、5年からは母の再婚家庭で暮らした。しかし、義父とうまくいかず、自ら「養護施設に行きたい」と訴えた。「職員が『あなたのことは全部信じる』と言ってくれた。温かい言葉は私の宝」。中学卒業後に中華料理店に住み込み、就職した。 半月後、携帯電話を買った。番号登録したのは施設の職員と市役所だけ。「私って友達いないな」。同僚に施設のことを話すと「変なこと聞いてごめんね」と言われた。さみしくて携帯サイトに出会いを求めたが、施設で育ったと知ると相手はよそよそしくなった。 17歳で夫(28)と結婚し18歳で長男(3)を出産。父の死を機に自分のできることを考え、退所後の孤独感を思い出して友人の石塚美枝子さん(26)と6月にこもれびを作った。定期的に交流の場を設ける予定だ。 9月21日、愛知県の日本福祉大学で、「なごやかサポートみらい」の発足式が開かれた。小学校3年生から高校卒業まで施設で暮らした会長の清水真一さん(32)は「同じ境遇だと話しやすいこともあるはず」と話す。会では相談窓口の開設、退所者が集う行事などを予定している。 大阪市で施設の高校生や退所者らで交流してきた「CVV」も5月、月1回退所者が集う「よりみち堂」を始めた。代表の中村みどりさん(25)は「みんなが大切にされる出会いの場にしたい」と願う。 社会福祉法人「鳥取こども学園」は今月1日、退所を控えた高校生と退所者の支援を行う団体「ひだまり」を発足させた。鳥取市立川町に事務所を構え、1階に気軽に立ち寄れるサロンを開き、2階には職員の中嶋進一さん(32)が住み込む。同学園で育った中嶋さんは、退所後に卒園生らで野球チームを結成。度々集まり、試合に出たり、仲間の引っ越しや親の葬式を手伝ったりしていた。「あのようなつながりが築ければ」と思う。 日本福祉大学の長谷川真人教授(児童福祉)は「退所者で悩みを分かり合うのはもちろん、経験を話すことで自分の人生が整理できたり、実態が伝わり、児童福祉制度の改善にもつながる」と期待する。【柴田真理子】 ◇退所後の支援、施設の目的だが… 児童養護施設で生活できるのは高校卒業までだが、全国児童養護施設協議会の調査によると、04年度の高卒就職者のうち32・1%が1年のうちに転職するなど、その後の生活で苦労する場合も多い。 04年の児童福祉法改正では、退所後の支援も施設の目的に掲げられた。しかし、退所者の自立支援を行うNPO法人「ブリッジ・フォー・スマイル」が今年6月、全国557施設の養護施設に調査したところ(回答は98施設)、家庭に戻ったり福祉施設で暮らす場合を除き、05年度の退所者の所在がわかるのは76%、退所後の援助計画の策定を「徹底して実行している」と答えた施設はわずか9%だった。理事の斎藤嘉孝さんは「退所後支援を自信を持ってやっている施設は少ない。民間の支援も大切だ」と話す。
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